Listen to this album! Vol.6 

 

〜世界最高のライブ・バンド〜

The Neville Brothers/Yellow Moon

◎Rolling Stones並みのキャリア

 Neville Brothersは、その名のとおり、Art、Aaron、Charles、Cyrilの4人の兄弟のグループです。結成は、78年と遅いものの、それぞれのキャリアや年齢は、あのRolling Stonesにも負けないものです。それ以前のキャリアに触れるのは、それだけで、このコラムが終わってしまいそうなので、止めておきますが。彼らの出身は、Jazz発祥の地ニューオーリンズです。そのことがあまりにも有名ですが、実は、この都市は、いろいろな文化が交錯しているところです。音楽的にはAllan Tousannが有名ですがセカンドラインのリズムで知られる独特のR&Bも、Dr.johnをはじめとするピアノスタイルも有名です。ところで、デビュー以来、ライブでは圧倒的な存在感を誇る彼らも、スタジオ録音となると、いまいち魅力が伝わりません。プロデューサーに曲をあてがわれたりしたことも事実ですが、ジャンルにとらわれない音楽をつくろうとする彼らと、何かに当てはめようとする、レコード会社とのシステムとの戦いでもあったのです。

◎幸運だったDaniel Lanoisとの出会い

 しかし、そんな彼らの理解者がようやく現れました。5作目に当たる、この「Yellow Moon」。これまでのレコードはいまいちという評価を変えたのは、U2やBob Dylanなどのプロデュースで有名なDaniel Lanoisでした。これまでのレコードでは、体の中からわき出るような、リズムと旋律のドライブ感だけという感じでしたが、このアルバムでは内省的な部分が多く、これまでの楽天性を期待していたファンからは、失望の声も聞かれました。しかし、実際に一曲ずつを聞いてみれば、印象は内省的ですが、そこにはちゃんと躍動感が宿っています。
 「Yellow Moon」を発表したときのインタビューで彼らは、アメリカ社会で黒人が置かれている厳しい状況がこのようなアルバムを作らせた、と発言しました。なぜかは、明らかにしませんでしたが、前作の「Uptown」のロックへのあからさまな接近が、魂を売ったと批判されたことにより、ニューオーリンズの音楽を見つめ直そうという方向に向かわせたのかもしれません。

◎歩んでいった大スターへの道

 このアルバム以後、彼らは力作を連発し、大スターへの道を歩んでいくことになるのですが、どうしても、初期に比べていろいろな音楽の要素を吸収していったため、従来のニューオーリンズのスタイルにこだわるファンは離れたようですが、どんな音楽も時を経るごとにスタイルが変わっていくのは当然であり、もしかしたら彼らの今後の活動が、新しいスタイルを作っていくのかもしれませんね。でも、ライブは昔と変わらず、圧倒的な存在感を誇っています。

The Neville Brothers/Yellow Moon

1 My Blood
2 Yellow Moon
3 Fire And Brimstone
4 A Change Is Gonna Come
5 Sister Rosa
6 With God On Our Side
7 Wake Up
8 VooDoo
9 The Ballad Of Hollis Brown
10 Will The Circle Be Unbroken
11 Healing Chant
12 Wild Injuns