Listen to this album! Vol.7 

 

〜70年代のSoulを代表する名盤

Marvin Gaye/What's Going On

◎モータウンを代表するシンガー

 マーヴィン・ゲイは、あのヒット曲製造レーベルとして知られたモータウンを代表するシンガーの一人ですが、モータウンでのキャリアは60年代初頭から始まりました。
 その60年代は、どちらかというとモータウンサウンドのヒット製造ラインに乗って、歌手として数々のヒット曲を量産していたのですが、デュオパートナーとしてコンビを組んでいたタミー・テレルが脳腫瘍により70年に他界。このショックによる自己嫌悪から極度の対人恐怖症に陥り、約1年間、いっさいの音楽活動から遠ざかってしまいます。

◎70年代のソウル・ミュージックをリード

 そんな彼が、この「What's Going On」で復活を遂げます。社長のベリー・ゴーディの反対を押し切って71年にリリースしたこのアルバムは、瞬く間に大ヒットとなった画期的な作品でした。
 この作品は社会問題をテーマにしたコンセプトアルバムでした。タイトル曲で、もっと仲良くやっていけるはずなのに、何でそんな争いごとばかりやっているんだと、弟が行っていたヴェトナム戦争への問題提起をしています。また、「 Inner City Blues」では、ゲットーの問題、「Mercy Mercy Me」では公害問題を取り上げるなど、その当時の問題をいろいろ取り上げています。
 彼は、このアルバムから、これまでのように用意された素材を歌うのではなく、ソングライター/プロデューサーとして自己主張するアーティストとしての権限をモータウンからもぎ取ります。そしてその後、スティヴィー・ワンダーも同じ道も歩み、数年後には、皮肉にもあのモータウンはただのレーベルになってしまいます。その後も、マーヴィンは「Let's Get It On」など名作のリリースを続け、70年代のソウル・ミュージックをリードしますが、77年にベリー・ゴーディの妹である奥さんと離婚した過程を題材にした「Here,My Dear」をリリース。この離婚をきっかけに、彼とモータウンとの亀裂は決定的なものとなります。そして、その莫大な慰謝料と税金のトラブルで、アメリカを離れ、ベルギーで暮らすことになりました。
 
◎2度目の復活

 82年には遂にあのモータウンを離れ、CBSに移籍。隠匿先のベルギーでレコーディングを開始します。経済的な理由でミュージシャンを雇えなかったために、打ち込みサウンドで作った「Midnight Love」の中の「Sexual Healing」が大ヒット。彼に最初で最後のグラミー賞をもたらします。その後、ツアーも行い、完全復活を果たすのですが、84年4月に、牧師である父親に射殺されるという悲劇的な最期を遂げました。その後も、彼のサウンドをフォローするアーティストは後をたたず、その影響力は、15年以上経った今も生きているようです。 

Marvin Gaye/What's Going On

1 What's Going On
2 What's Happening Brother
3 Flyin' High
4 Save The Children
5 God Is Love
6 Mercy Mercy Me
7 Right On
8 Wholy Holy
9 Inner City Blues